統計モデルによるアニマエール!のアニメ化予測

こんにちは、北近畿5号です。
今月発売のまんがタイムきららキャラットで卯花つかさ先生の「アニマエール!」のアニメ化が告知されました。
http://www.dokidokivisual.com/magazine/carat/
きららグループ4誌では2017年にアニメ化告知ラッシュが続いたので、このタイミングで再びキャラットからアニメ化作品が出てくるとは思っていませんでした。
(もちろんアニメ化候補作品はたくさんありますが、アニメ化告知は半年くらい休息期間を置くと推測していました)
個人的に卯花先生の作品は「はじおつ。」の時から好きだったので、とても嬉しいニュースでした。

ところで、拙書「萌え四コマ定点観測2017下半期」では連載データからアニメ化を予測する統計モデルを構築し、下記7作品のアニメ化確率が高いという結果を得ていました。
・すわっぷ⇔すわっぷ
・おちこぼれフルーツタルト
・棺担ぎのクロ。懐中旅話
・こはる日和。
・すくりぞ!
・魔法少女のカレイなる余生
・しましまライオン
2017年12月末時点で「すくりぞ!」と「しましまライオン」は作品が終わってしまったため、残る5作品にアニメ化の可能性があると結論づけていました。

この時、アニメ化予測の対象とした作品は、データを集計した2017年10月号時点で22話以上のストックが溜まっている作品に絞っていたため、「アニマエール!」は予測対象から漏れていました。
22話で線引をした理由は、きららグループのアニメ化告知が連載開始から最短で21ヶ月、平均で36ヶ月かかっているという実績によります。
一方、「アニマエール!」のアニメ化告知は2018年3月号の第24話、すなわち2016年4月号の連載開始からちょうど2年後に行われました。
きららグループのアニメ化作品の中では「けいおん!」(21ヶ月)「かなめも」(22ヶ月)に次ぐ早さでの発表でした。

さて、もし「アニマエール!」と統計モデルにかけていたら、正しくアニメ化を予測できたのか気になったので、「萌え四コマ定点観測2017下半期」で構築した4つのモデルに連載データを入力して確率を計算してみました。

モデル1 モデル2 モデル3 モデル4
10% 0% 1% 3%

結果はいずれのモデルでもアニメ化確率は低めでした。どうやら今のモデルでは「アニマエール!」のアニメ化を予測できなかったようです。

ここからはその理由を考察してみます。
次のグラフ1はアニメ化作品(緑線)と未アニメ化作品(青線、短期連載は除く)の平均連載位置推移を比較したものです。
縦に伸びている破線はそれぞれの標準偏差を表しています。さらに「アニマエール!」は橙線で重ねました。

このグラフでは、緑線に近い軌跡を示すほど、過去のアニメ化作品と同じような連載位置推移をたどったことが読み取れます。
「アニマエール!」の橙線を見ると、第12話と第19話付近を除いて青線(=未アニメ化作品の平均推移)に近い位置付近を前後していることが分かります。
つまり、「アニマエール!」の連載位置推移を見る限り、アニメ化できない作品と判断されても仕方ない状況だったといえます。

参考までに、直近でまんがタイムきららキャラットからアニメ化した「NEW GAME!」(黄線)と「ブレンド・S」(青線)の連載位置推移を次のグラフ2で比較してみます。
◆印がアニメ化告知のあった話数を表します。
「アニマエール!」(橙線)は他の2作品よりも早い位置でアニメ化告知されたこと、連載位置推移は黄線や青線に比べ低い位置にあったことが分かります。

ところが、橙線は第22話以降に突然上昇し、グラフ1で一気に緑線に接近しました。すなわち、アニメ化候補作品に近づいたのです。
なぜ第22話を境にこのような変化が起こったのかは大人の事情なので読者には伺う術がないのですが、2017年夏コミのきらら企画本の表紙を卯花先生が担当していたことから、昨年の時点でアニメの話は動き出していたと思っています。

ちなみに、「アニマエール!」のように連載位置が急上昇してアニメ化告知をした例は過去にもあります。
その例を次のグラフ3に示します。実は「Aチャンネル」と「けいおん!」もアニメ化告知までは連載位置が中盤に落ち着いている作品だったのですが、後半になって連載位置を伸ばしていたことが読み取れます。
そういう意味で、「アニマエール!」のアニメ化決定までのプロセスは「けいおん!」と同じような流れだったのかもしれません。

何はともあれ、「アニマエール!」のアニメが今から待ち遠しいですね。
個人的にこはねのCVは早見沙織さんで脳内再生されているので、どんなキャストになるのかワクワクしながら2018年を過ごしていこうと思います。

最後に、今回扱った統計モデル構築の話は「萌え四コマ定点観測2017年下半期」に特集記事を組んでいるので、興味がある方はぜひご覧ください。

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