きららキャラットの3号連続重大発表を予想する

こんにちは、北近畿5号です。

まんがタイムきららキャラット2019年2月号の巻末で、何やら意味深な次号予告が掲載され、話題となっています。

ポイントは次の3つです。

  • 表紙&巻頭カラー作品が「???????」(クエスチョンマーク7文字)で伏せられている
  • 3号連続重大発表が予告されている
  • 背景は黒で大きくクエスチョンマークが描かれている

この予告について、SNSや掲示板では様々な声が見られます。ざっと見た限り

  • 「ドまぞ」のアニメ化発表?( 7文字の連載中作品は「アニマエール!」「まちカドまぞく」の2作品。そのうち未アニメ化なのは後者のみ )
  • 「はるみねーしょん」 「すわっぷ⇔すわっぷ」 「おちこぼれフルーツタルト」 「恋する小惑星」のアニメ化発表?( 7文字縛りでないロングラン作品 )
  • 「ブレンド・S」「キルミーベイベー」「Aチャンネル」などの既アニメ化作品の2期発表?
  • 新作発表?
  • 完結作の復活?
  • 他誌からの移籍?
  • 作品の完結?

などがありますが、主にアニメ化に関する期待が目立ちます。

真実を知るにはキャラット2019年3月号の発売を待つしかありませんが、これからどのような発表があるのか、これまで私が集計してきた連載作品データと統計モデルを使って、事前予想をしてみたいと思います。

私の予想は次の通りです。

  • 可能性高:「棺担ぎのクロ。」の外伝掲載。きゆづきさとこ先生の新作発表。きゆづき先生作品のきらファン参戦。
  • 可能性中: 「はるみ」 「ドまぞ」「すわすわ」のきらファン参戦(CV付き)。 「恋する小惑星」または「おちフル」のアニメ化発表。
  • 可能性低: 「はるみ」 「ドまぞ」「すわすわ」のアニメ化発表。

根拠は次の通りです。

  • きゆづき先生は「GA」(キャラット2005年11月号~2016年2月号)「クロ。」(本誌2005年1月号~2018年6月号)のレギュラー連載が終わり、現在は本誌やフォワードで「クロ。」の外伝を連載中です。外伝を収録した単行本の刊行が予告されていることから、もう少しストックを貯める必要があります。よって、 キャラットに3号連続で「クロ。」の外伝が掲載される線が濃厚だと思います。次回予告の背景が黒いこと、作品名が7文字であることも合致します。「クロ。」が落ち着いた後は、きゆづき先生の新作が発表されるかもしれません。現在レギュラー連載がなく、「GA」「クロ。」が完結してから時間も経っているため、次回作の構想は十分に練られていると思います。
  • これまで雑誌上でアニメ化発表が大々的に予告された前例がないことから、アニメ化発表の可能性は薄いと予想しています。むしろ、芳文社が直接出資しているきらファンの告知の方に力を入れるのが自然でしょう。きらファンはアニメ化作品のほとんどの実装が終わり一段落したことから、そろそろ未アニメ化作品の参戦があっても良い頃だと思います。 特に長期連載でファンが多い「GA」「ドまぞ」「すわすわ」「はるみ」あたりに参戦の可能性が高いと見ています。
  • 仮にアニメ化発表だとすれば、これまでの実績から鑑みるに、連載開始から3年以内の作品が選ばれる可能性が高いです。特に「恋アス」「おちフル」の可能性が高いと予測されています(詳しくは後述します)。

ここからは3つ目のアニメ化の可能性について考察していきます。

2018年末現在、フォワードを除くきららグループ誌からアニメ化された萌え四コマ作品数は22(2期以降やOVAを除く)で、うち19作品が連載開始から48ヶ月以内にアニメ化告知されていました*1。これは全体の86%を占めており、裏を返せば連載開始から49ヶ月以上経過すると一気にアニメ化の可能性が下がることを示唆しています(下表とグラフ参照) 。

ちなみに、昨年アニメ化された「アニマエール!」は連載開始からちょうど2年でアニメ化告知されたので、「けいおん」「かなめも」「うらら」と同様、比較的早期にアニメ化が決まったグループに分類されます。

きららグループからアニメ化された萌え四コマ作品リスト(2期以降は除く)

キャラットの未アニメ化作品に注目すると、次の4作品はいずれも連載開始から49ヶ月以上が経過しているため、 これまでの実績からするとアニメ化の可能性はやや低めに予測されます。

  • 「はるみねーしょん」(2007年8月号、10月号ゲスト連載の後、2008年2月号~レギュラー連載中)
  • 「まちカドまぞく」(2014年8、9月号ゲスト連載の後、2014年11月号~レギュラー連載中)
  • 「すわっぷ⇔すわっぷ」(2014年10~12月号ゲスト連載の後、2015年3月号~レギュラー連載中)
  • 「異なる次元の管理人さん」 (2014年12月号~2015年2月号ゲスト連載の後、2015年4月号~レギュラー連載中)

一方、連載開始から48ヶ月以内の作品は13作品ありますが、2019年1月1日現在で単行本第1巻が発売されている作品に絞ると、次の9作品が残ります。

  • 「おちこぼれフルーツタルト」(2015年1~3月号ゲスト連載の後、2015年7月号~レギュラー連載中)
  • 「花降り宿のやどかり乙女」(2017年2月号~レギュラー連載中、ただし2019年3月号で完結予定)
  • 「エクソシストと首輪の悪魔」(2017年3月号~レギュラー連載中)
  • 「恋する小惑星」(2017年3月号~レギュラー連載中)
  • 「ネコじまにゃんだフル」(2017年5月号~レギュラー連載中)
  • 「ふじょ子とユリ子」(2017年3、4月号ゲスト連載の後、2017年8月号~レギュラー連載中)
  • 「正義ノ花道」(2017年8月号~レギュラー連載中)
  • 「先パイがお呼びです!」(2017年9、10月号ゲスト連載の後、2018年2月号~レギュラー連載中)
  • 「mono」(ミラク2017年5月号ゲスト連載の後、ミラク2017年7月号~12月号→キャラット2018年2月号~レギュラー連載中)

以上の13作品に対して、拙書「萌え四コマ定点観測2017下半期」で導出したアニメ化確率の予測モデル*2を適用すると、次のような結果が得られました*3。

キャラット連載中作品のアニメ化確率予測

この表から分かることは、

  • 「おちフル」「恋アス」の2作品について、一部のモデルでアニメ化確率が3割を超えている
  • 長期連載の 「はるみ」 「ドまぞ」「すわすわ」 3作品も各モデルで反応があるが、最高で17%とやや低めである
  • それ以外の作品はほぼ反応なし

の3つです。言い換えると、どの作品もアニメ化確率は十分高くないが、強いて言えば「おちフル」「恋アス」にアニメ化の可能性が見えるということになります。冒頭で 「おちフル」「恋アス」のアニメ化発表を可能性中、「はるみ」 「ドまぞ」「すわすわ」のアニメ化発表を可能性低としたのは、この理由によります。

ここで、 「おちフル」「恋アス」の連載位置の推移を見てみます。

下のグラフは、2作品の第1話から最新話までの連載順位をプロットしたものです。点が上にあるほど、その話数は表紙に近い位置に掲載されてことを示します。どちらの作品も順位の浮き沈みがありますが、平均すると雑誌の前半~中盤位置に付けていることが分かります。連載順位が下がっている時はセンターカラーに割り当てられていることもあるため、連載順位が下=悪いとは一概に言えません。

以前に「アニマエール!」のアニメ化予測の記事で、これまでTVアニメ化された作品とそうでない作品の間には、連載順位推移に差があることを説明しましたが、今回もそのグラフに2作品を並べてみたいと思います。

上のグラフで、連載順位のグラフがアニメ化作品平均曲線(緑線)に近いほど、これまでアニメ化された作品に近い連載順位をたどったことになります

作品ごとに見てみると、 「おちフル」(青線) が緑線の近くに分布しているため、 これまでアニメ化された作品に極めて近い傾向が出ていると言えます。

「恋アス」(橙線) の方は浮き沈みが大きいため必ずしも緑線に近づいていませんが、かと言って未アニメ作品平均曲線(黄線)に近いわけでもないので、まだ様子見状態と言えます。ただし、2018年12月号と2019年2月号で連載順位を3まで大きく伸ばし、緑線に急接近しているのが目を惹きます。実はこれまでのアニメ化作品でも、アニメ化発表直前の数話で急激に順位を伸ばしてアニメ化発表を迎えるケースが多々見られたので、「恋アス」も十分にアニメ化を見込める傾向が出てきたと分析しています

以上のデータから、現在の連載作品の中でアニメ化告知があるとすれば「おちフル」「恋アス」の2作品に可能性があると結論づけられます。もしそれ以外のアニメ化告知が来たとすれば、これまでの連載傾向から外れた特異な例だと言えるでしょう。

どんな発表が来たとしても、1月末の発表が待ち遠しいところです。ぜひ明るい話題で萌え四コマファンを喜ばせてほしいですね。

長文でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


*1 この記事で連載開始からアニメ化告知までの期間を数える時はゲスト連載期間も含めることとします。

*2 このモデルでは、連載位置、表紙・カラー掲載回数、ゲスト掲載回数から得られたパラメータを元に、アニメ化確率を0~100%の間で予測します。

*3 NAとなっている作品は、連載話数が少ないため、モデルを使用するのに必要なパラメータが揃っていないことを示します。

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